YahooからYafooに?
by Oliver Reichenstein. Average Reading Time: less than a minute.
Yahooの買収をめぐり争うマイクロソフトとニュースコープに加えて、第三の買収候補が現れたという噂です。それは、Yahoo! Japanです。
どゆこと?

Yahoo!は日本ブランド?
多くの日本人はYahoo!(発音から言うと”Ya-foo”)は日本のブランドだと思っています。そして多くの人が事実を知って混乱する(もしくは怒る)のです。これは、日本で不動の人気を獲得してきたYahoo!の賢いブランド戦略の結果です。日本市場で成功するためには、日本企業でなければならない–もしくは少なくとも、日本企業ぽく見えなければならないのです。
経営者やオーナーが日本人男性以外の会社は、ここ日本では信頼を獲得することが困難です。日本人男性でも少数の人しか出来ないことを、どうして外国人(や女性)が成し遂げられるだろうか。サラリーマンの世界では起業というのは、狂気の沙汰、もしくは(うまくいけば)英雄物語の世界なのです。
ケチなトリック
この日本人の精神が分かれば、どうして日本で起業した多くの外国人が名刺に「CEO」という肩書きを入れないのかが分かります。自分の会社が外国人ではなく日本人の経営だという風に思われたほうがビジネスがやりやすいからです。実際、日本人のビジネス文化は非常に複雑で、日本企業とやり取りをするために日本人のスタッフを雇わなければならないくらいです。普通の外国人は、ニホンジンと簡単に契約を結んでしまえるような勇気や、忍耐力や、文化理解を持ち合わせていません。
戦略的勝利
Yahoo!はこの戦略をうまく使い、大きな勝利を収めました。日本的経営と企業文化によって、日本最大級のオンライン企業になったわけです。日の出ずる国で、Yahoo!はGoogle、Yahoo!、MonsterとeBayを併せたような強力なパワーを手に入れたのです。
例えばeBayの幼稚な日本戦略は大失敗に終わりました。彼らが日本でのオペレーションのトップに据えたのは冷凍食品業界から来た、ハワイ生まれハワイ育ちの女性でした。えぇ、冗談ではありません。しかもeBayは未だに半年ほど出遅れたのが敗因だったなどと言っています。
トリックがトリート?
さて今、人々の信頼を得るためのこのトリックが、突如リアリティの世界に入ってきたようです(以下引用:翻訳iA)
Yahoo! JapanはYahoo傘下から逃れるためにYahooの株式保有者にYahoo!Japanの株式を割り当てればよい。複雑だが、不可能ではないだろう。特にここにPEファンドの投資が絡み、そしてアメリカの本家YahooよりYahoo!Japanの日本でのオペレーションに興味があるファンドマネージャーが株式交換に応じる可能性があれば。この筋書きでキーとなるのはYahoo!Japanの株式を41%保有するソフトバンクだ。ソフトバンクの孫正義CEOはマイクロソフトのチェアマンであるビル・ゲイツとも、YahooのCEOでありYahoo!Japanの役員も務めるジェリー・ヤンとも深いかかわりを持つ。
ソフトバンクはYahooの株式も3.9%保有しているが、Yahooと同様にYahoo!Chinaの運営を行うアリババの大株主でもある。アリババの経営陣はマイクロソフトの支配に反抗的だと言われている。株式交換が実現する場合ソフトバンクがアリババの株式も併せて放出する可能性がある。それによってアリババの株式はIPOのリスクをかけずに市場に出回ることになり、Yahooが筆頭株主の地位から追い落とされる。
今のところ、単なるvalleywag 発のうわさ話に過ぎませんが。さて、今度はこの件を日本的な視点から考察してみましょう。
どうして実現しないのか。
でも、私の知る限りでは、ニホンジンはこんな技を出すことが出来ません。その理由を挙げてみましょう。
- 日本企業では、今回のハイペースな動きについていくことが出来ません。役員全員の承諾を得るだけで、数ヶ月かかるはずですから。
- ニホンジンはリスクを嫌います。Yahoo!JapanはYahoo本体からちょうどいい距離を保っているようです。
- 今一番勢いのあるYahoo!ローカル支店にはマイクロソフトですらおいそれと強い態度に出ることは出来ないでしょう。ということを考えれば、Yafooはマイクロソフトやニュースコープが買収に乗り出したところで損することなどないのです。
- グローバルなブランドを日本国内から運営することは、不可能と考えられています。その逆が出来ないのと同じように。
でも、ゼロではない?と思う理由
答えはまず、ソフトバンクです。ソフトバンクは、時に驚くほどの大胆さと、スピードと、そしてその意味で言うと「日本らしくなさ」を備えた企業です。ボーダフォンがめちゃくちゃにしたJ-フォンブランドを立て直したのは皆さまのご記憶にも新しいでしょうか。ソフトバンクは日本と海外のブランディングの違いを理解しています。欧米担当の欧米系の経営陣を国外に配置しているのも、賢い戦略の一つです。
二つ目の理由は、あの強烈傍若無人キャラのいるマイクロソフトなら、何が起こってもおかしくない、という気がするからです。あの、恐竜並みの精密さを誇るバルマーがYahoo!Japanをやることになったら、日本経営陣は買収のごたごたの中で崩壊の覚悟を決めないとならないかも知れません。
