E.T.のiPhone
by Oliver Reichenstein. Average Reading Time: less than a minute.
エドワード・タフティ氏は、インフォメーション・グラフィックス関連書籍の世界では偉大です。でも、彼のサイトをチラッと見てもお分かりになるのは、インタラクション・デザイン方面についてはあんまり信用できる人物ではないのではないかということです。何を言い出しても、お年寄りは敬わなければなりません。でも、氏がAppleの出したiPhoneをまるで学生のレポートを添削するかのごとくに批判しているのをみたら、どうして黙っていることができるでしょうか。
タフティ先生の講義は、あまりに思いつきの行き当たりばったりです。こちらに、ビデオからのスライドをお見せしましょう。iPhoneのギャラリーページの紹介ですが、、

先生のコメントは?
「写真の間のラインは幅1ピクセルのグレーにするべきだ」
1ピクセル説にはいろいろなご意見がおありでしょうが(もしくはサムネールのサイズを大きくするとか)、でも写真ごとのコントラストをしっかり出すには、ラインは白でなければならないでしょう。
どうしてかといえば、完全な白とその他の色のコントラストは最大で100%(白対黒)です。50%のグレーとその他の色のコントラストは、高くても50%にしか届きません。(グレー対黒または白)様々に色の違う写真の間をしきる1ピクセルのラインが50%グレーだったら視覚的なコントラストは低下するでしょう。私たちが大学教授や何かでなく、デザイナーなのが残念です。大学教授の世界なら、仕事そっちのけでいやらしい反論や批判も自由に出来るのに。
それから、次はiPhoneの株式取引の画面について

「iPhoneの株式取引画面はパワーポイントのスライドのようだ。濃い色合いとストライプ、でも大した情報はない。そして下の図なんかモードぶったデータグラフィック漫画だ。」
先生がおっしゃるには、ちょっとこれでは「マンガ」すぎる。そしてまたエクセルやパワーポイントにそっくりだということですが。だからといって、下記にあるような、読みづらいシロウト画面にするのは解決策とは言えないでしょう。

教科書ドオリ、でもぱっと見さっぱりわからないし、ズームしないと情報が読み取れない。ずっと見ていても、未だに何の画面かすら分かりません。そしてこのギル・サン書体。。。正気ですか、先生!
もちろん、これは先生の本気ではなくただのスケッチなのでしょう。アイデアの図解にすぎません。どちらにせよ、もうこの時点で氏の議論は根拠も、理論面でも曖昧になっています。この先、やっぱり先生はすごかった、という巻き返し意見を期待しましょう。

「操作バーが無駄にスクリーンの10%も占めている」
その通りです。スクリーンの10%を占拠する邪魔者な操作バー、確かに貴重な画面の無駄遣いです。で、どうしたらいいのでしょうか。
「透明にするべきだった」
邪魔者を、透明な邪魔者にすることが解決策になるのかは疑問です。Leopardのトップバーでお分かりになったかもしれませんが、透明のバーというのは往々にして鬱陶しさを増すものです。他に、検討する価値のある方法があるような気がするのですが、、これはまた、デザイナーのしごとです。大学教授の仕事ではありませんので。
次の天気予報欄の議論で、先生はデザイナーとしてのご自身の棺おけに、最後の釘をお打ちになりました。

「どうしてもっと豪華でダイナミックな天気予報画面を作らなかったのか」
どうして?だって、豪華でダイナミックな天気予報はおそらく、目障りで、わかりにくくて、ちらかったゴミのような画面になるからではないでしょうか。
このスライドを見て、デザイナーたちは心を痛めるのです。オリジナルの、明瞭で読みやすいフォーマットを抜き出し、画面の隅にごちゃっと押し込めた上に、要らないテキストを加え(もちろん大先生の大好きなギル・サンで)、そして新たに画面の半分を奪ったのは、おそらくここから有益な情報を読み出すためには石原義純氏が必要かと思われるこの天気図。「つめすぎ」も「とっ散らかし」も情報のあり方ではないのです。 ですよね、先生?
「詰め込みすぎたり、散らかったりという印象を受けたとしたら、内容のせいにしてはならない。デザインが悪いのだ」
話がまとまりそうなところで、ここで結論です。氏のセオリーは「明瞭にするためには、ディテールを追加するべき」そして私たちのひとことは「インタラクション・デザインを知るためには、実践が必要」
